この世における生まれ変わりの論理

今回は、人生の変革について考えます。
YUDAI SUZUKI 2023.06.09
誰でも

こんにちは。今日は、前回の話を少し拡張していきたいと思います。

前回は、心がどこにあるのかという話でした。

そして、実は心というのは、世界と自分との間に仕切りを設けてみようという絵(世界観)を信じることによって生まれる妄想だという話をしたのでした。

こうやってまとめてみると、哲学書を引用したりはしてないですが、実はかなり哲学的な話だったんですね(笑)

我々の心は、脳の中に収まり切るようなものではなく、世界に拡張しているのです。

では、認知するものが変わるということは、心が変わるということを意味しないでしょうか。

今回のテーマは、認知するものが変わることの意味です。

僕は、認知するものが変わるとき、僕らは生まれ変わっていると考えています。そして、このことはコーチングにおいて非常に大切なことです。

たとえば、生まれてからずっと白黒の世界に生きている人が、カラフルな世界をみたらどうなるでしょうか。

それまで、いくら友人や家族、そして科学者たちが赤の赤さについてその人に説明しても、その人は赤の赤さを理解することはできなかったのです。

それが、色を認識することができるメガネをかけた途端、その人の世界は一変します。

しかし、よく考えてみると、このような体験は色盲の人や聴覚障害の人でなくても体験しています。

女性は、子供が生まれるまではたった一人の女性です。結婚しているとしても、世界の全てに優先される重要性の順位は自分がトップの人が多いのではないでしょうか。(ごく稀に、死の恐怖を克服している人はいるかもしれませんが。)

しかし、子供が産まれた途端、女性の中で大きな変化が起こります。全てにおいて優先されるのは子供になるのです。

彼女は、身体的なレベルにおいてさえもホルモンバランスが変わります。そして、理解するのです。子供を産むということが何を意味するのかを。

しかし、よく考えてみると、子供を産み育てるということや、ホルモンバランスが変化することなどは、出産を経験する前から誰しも知っていることです。

にも関わらず、それを本当の意味で「知った」とき、多くの女性は驚くのではないでしょうか。

アリストテレスは、『形而上学』において、哲学の出発点は「驚異」(驚くこと)だと言いましたが、そのときに我々は無知だったという意味での知らないことに対する気づきはないのです。

我々が驚くのは、当たり前に認識していなかったものが実は全く当たり前ではなかったと気づくときに、驚くのです。

この驚きは、人の認識を一変させて、驚く以前の自分へと引き返すことを許しません。

そして、多くの人はその人生が変わる体験によって、その後の人生が左右されるのです。

きっと、子供が産まれた時に赤ちゃんの存在に本当に驚くことができた女性は、いい母親になるのではないかと思います。

コーチングにおいて設定するゴールは、現状の外側のゴールですから、実はゴールが認識できた瞬間というはこのように人生に変革が起こる瞬間です。

僕は何度も体験してきました。

しかし、よく考えてみると、この変革が起こる前に、我々は変化後の世界について全くその「意味」を理解することができていないのです。

たとえば、「こっちの方が得だから、この選択をする」というような理性的な決定を下すことはできないのです。

なぜならば、変化以前の価値体系は変化後にはもう他のものに置き換えられているからです。

ということは、このような生まれ変わりの体験に対して、理性的な決定や価値判断を下すことはできません。

資本主義の論理では、到底その価値を推し量ることができないのです。(だから、苫米地式コーチングは高くも安くもできるけど、クライアントがある程度覚悟を決めてくる程度の料金設定にしてあるのです。もしかしたら、大金持ちにはもっと高くした方がいいのかもしれません。逆も然りですが。)

さて、では何を基準に、この変革を起こすべきでしょうか。

それは、Want Toしか存在しないのです。

実は、これは哲学の分野ではDecision Theoryと呼ばれる分野になるのですが、僕が支持するのはこのような考えです。

たまーに、優れた芸術家や(僕みたいに優秀な笑)コーチは強制的にスコトーマを外しますが、そんなことでもない限り自分のWant ToとI.Qで飛び込むしかないのです。

ところで、昔僕がICUの合気道部で主将を務めていた頃、スコトーマを外すのが得意だった僕は部員のスコトーマを外すことで感動させて合気道に興味を持たせるのが得意でした。

しかし、何度も何度も繰り返していると部員はそれに慣れてきて、「驚きの体験を与えてください」とただ口を開けて待っているような感じになってしまうことに気づきました。

僕自身は自分で気づき、ゲシュタルトを更新していくのですが、部員は思考停止でゲシュタルトを僕がくれるのを待っている状態になってしまったのです。

そのうち、僕が驚きと共に感動していることに対して全く感動することなく、「今までと同じこと言ってますよね」みたいな反応になってきたのです(笑)

しかし、僕は最初から同じことしか言っていないのです!

同じことに対して驚くことができるということが、本当に世界を見ているということなのです。

「先輩に教えてもらわないと自分達で稽古しても上達しない」とか言い出す始末です(笑)

そこで僕はやり方を反省して、スコトーマを自ら外すように仕向けるようにやり方を変えました。

まあ、笑い話は置いておいて、ともかく驚きはクリエイティビティの源泉です。

僕は毎日、いつも大学で見ている木にすら感動して写真とか撮ってます(笑)。

まあ、ともかくコーチングとは生まれ変わりなのです。

苫米地博士によると、自我とは世界を自分にとって重要なものに並べ替える部分関数なのです。

ということは、認知が変わる(つまり並べ替え方が変わる)ということは、自我が変わるということです。

生まれ変わり以外のなにものでもないですよね。

だから、コーチングに適正な価格設定などできないし、その先の未来のメリットを考えた上でコーチングを受けることなどできないのです。

コーチングは「人生を丸ごと変えるメソッド」なのです!

あなたは、未知の領域に足を踏み入れることができます。しかし、その先の領域がどんなものか、あなたには想像がつきません。

それでも、あなたはその望む未来へ向けて働く強烈なWant Toのエネルギーが自分の内側から溢れ出てくるのを無視することはできないでしょう。

人間は、望む未来に向かうWant Toのエネルギーと、その未来に自分が向かっているということを実感することによって幸せになることができるのです。

あなたを幸せにするのは、今この現状の世界を豊かにして、つまり自分にとってある意味で理性的に考えて楽で得することができることによって幸せになることはできないのです。

たとえ得をすることはとても楽で嬉しかったとしても、それは本当の幸せではありません。

僕らは、自分が成長することで、違う世界へと文字通り進化することで幸せになることができる存在なのです。

だから、僕は確信を持ってあなたに伝えることができます。

自分を変革しなければ到達できない未来、それでもどうしてもそこに到達したい未来にいくのに、Want Toの情動以上の理由は要りません。

その気持ちこそが、あなたの人生の道標なのです。

人は、この意味での真の自由が与える快楽によって突き動かされている存在なのです。

だからこそ、あなたは「今この瞬間に」幸せになることができるのです。

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