認知空間における帝国主義に負けないために

今回は、認知空間を支配されないだけでなく、望む未来を手にするためのマインドの使い方についてです。
YUDAI SUZUKI 2023.04.21
誰でも

こんにちは。今回は、前回に引き続いて認知空間の話と、それに関連したコーチングのテーマの中でもゴール設定について書いていこうと思います。

認知戦は、ディスインフォメーションを流すことによってゲシュタルトを作らせ、そしてそのゲシュタルトをあらゆる手法を用いて固定化するという性質があると思われます。

ジョージ・オーウェルの『1984』では、ビッグブラザーがあらゆる情報を管理することによって世界を支配していました。

1984はなかなかのディストピアですが、これを快楽や恐怖に結びつけて内省言語を生じさせる仕方で行われれば、つまりあの小説よりかなり周到なその手法に騙されてしまう人はたくさんいるのではないでしょうか。

実際に、それが現代社会です。日本人は特にたくさんワクチンを打ちました。

そうそう、ジェームズ斉藤さん(面白い名前なのでたぶん偽名でしょうね笑)という苫米地博士の知り合いのトカナで連載している某国諜報機関の人のTwitterのプロフィールに、"In a time of universal deceit, telling the truth is a revolutionary act."という言葉がありますが、あれはまさにジョージ・オーウェルの『1984』からの引用です。

話が逸れましたが、そのような時代にあっても、我々の人生はゴール設定によって輝き始めます。

そして、認知戦において自らの認知空間を他人にコントロールされないためにも、ゴール設定は非常に重要です。

人は、問いから思考をスタートさせます。

そのスタート地点である問いを、他人に設定されるのは非常に危険なのです。

実際に、認知空間における帝国主義は、大昔からこの問いを与えることによって行われていました。

哲学の歴史を簡単に振り返ってみれば、実はそれがすごくよくわかります。

哲学の始祖と呼ばれる人は、タレスか、もしくはソクラテスだと思います。タレスから始めてみましょう。

なぜタレスが現代に生きる我々にその名を覚えられているかというと、彼は「万物の根源とは何か」という問いを設定したからです。

彼の答え(ちなみに彼の答えは水でした)は別にどうでもいいのです。彼がその問いを立てたことにより、アナクサゴラス、デモクリトス、パルメニデスなどあらゆる哲学者が答えましたが、彼らはそれほど有名ではありません。タレスのあとに問いに答えた人は、タレスの作った認知空間に支配されているから重要ではないのです。

ソクラテスは、新たな問いを発しました。それは、「善とは何か」ということでした。彼は、善く生きることが重要だと考えたから、倫理を問いの主題にしたのです。

彼以降の哲学者は、やはりソクラテスの設定した問いに答えているという意味で、彼に支配されています。答えなど重要ではなく、何にフォーカスさせられているかが重要なのです。

現代社会では、資本主義が我々を支配しています。

あるものを評価するとき、ついつい「それってどれくらいお金になるの?」と考えてしまいませんか?

そして、儲かるにはどうすればいいのかということが、至上命題になっている人も少なくありません。

政治家までそんなことだから、民主主義は資本主義に負けてしまうのです。

プラトンが『国家』を書いたとき、彼はスパルタのリュクルゴスに影響されて、民主主義よりもずっと合理的な統治をよしとしました。きっと師匠のソクラテスが民主主義で殺されたことに対するトラウマもあったのかもしれません。

しかし、彼は善いことによって全ては支配されるべきだとするので、帝国主義的な側面を持っています。これはプラトンの呪縛と呼ばれるものです。

言っていることは良いことだけど、その問題設定を受け入れてしまったら、人生をプラトンに支配されることになってしまいます。その点で、プラトンに対抗する倫理を打ち立てたアリストテレスはやはり賢かったと言えるでしょう。

自由主義も、人権という正しさによって、多くの文化を画一化して殺していくという帝国主義を行いました。これは今ではあらゆる政治哲学者が批判していることです。

そして、資本主義もその一つであることは、違いありません。マルクスは注意して読む必要のある思想家ですが、彼が資本主義システムにおいて人は商品として扱われ、人間性が殺されてしまうということを指摘した疎外論は現代社会においても正鵠を射るものです。

そして、それが人間の認知空間まで形成してしまう(つまり資本主義の価値観に人間が汚染される)としたその後の物象化論は、まさに認知戦の話をしているように思われます。

このように、歴史が証明していることは、問いを設定したものが認知空間を支配するということです。

では、そこから逃れるにはどうすれば良いのか。

それは、現状の外側に多くのゴールを持つことです。

現状の外側に設定することによって、あなたは過去の呪縛から逃れ、全く新しい未来へとシフトすることができるのです。

認知戦を仕掛ける人間は、そのような人間の認知空間は支配することができません。

たくさんのゴールを持つあなたは、この世の全てのものから自由なのです。

そして、自分の頭で考えることができる存在なのです。

あなたは、これ以降どのような認知戦がきたとしても、より確からしい答えを求めて自らのゴールの実現のために積極的に情報を収集することができるでしょう。

その結果、多角的な視座から物事に対して判断することができるようになってくるのです。

一つの視座からしかものを考えられない人間は、単にゴールを持たないが故に認知空間を支配された人間なのです。

このメルマガを読んでいるあなたは、そのような人間ではありません。

ぜひ、できる限りたくさんの現状の外側のゴールを描いてください。

世界平和という未来に縁起を結実させるのは、現状の外側にゴールを設定するあなたの心なのです。

無料で「鈴木湧大のコーチングマインド講座」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。

すでに登録済みの方は こちら